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「新横浜線」開業、沿線開発が始動 大型商業施設や病院整備へ

全路線が神奈川県内にある相鉄が東急とつながり、東京や埼玉を含む3都県にまたがる14路線・総延長250キロメートルの広域ネットワークが誕生した。神奈川県央部と東京都心のアクセスが向上するとともに、相鉄は沿線の開発促進や住民増加を期待する。

 

新横浜線は東急の日吉駅から相鉄の西谷駅までの横浜市内5駅を結ぶ。日吉、新綱島、新横浜、羽沢横浜国大の4駅間の約10キロメートルを新設した。相鉄本線から東急目黒線、東京メトロ南北線を経由し、埼玉高速鉄道埼玉スタジアム線の浦和美園駅(さいたま市)まで直通する。相鉄は都営三田線や東武東上線などとも直通する。神奈川県央部から東京都心への所要時間が短くなる。

また、新横浜線の新横浜駅は新駅で、相鉄と東急にとって初めての東海道新幹線の乗換駅となる。JR東海は新横浜線の開業にあわせて新横浜駅始発の「のぞみ」を新設。土曜日などに午前6時3分発の新大阪駅行きを運行する。相鉄沿線などからは品川駅経由よりも早く名古屋・大阪方面へ到着できる。

相鉄は大手私鉄のなかで営業路線が短く、2019年のJR直通線の開業まで東京都心への乗り入れがなかった。それだけに都心の主要駅に直通運転でつながる新横浜線の開業は、住民を沿線に呼び込む「切り札」として期待される。

沿線では再開発計画が動きだしている。横浜市は2月、新横浜駅南側の「篠原口」のまちづくり計画案を公表した。相鉄いずみ野線のゆめが丘駅(横浜市)の駅前では、相鉄グループが24年夏に大型商業施設をオープンする。約24ヘクタールで再開発が進み、集合住宅や地域の中核となる病院の整備も予定される。