2021年8月以来1年半ぶりのプラスとなった。長く値下がりが続いていた中小都市を中心に販売が増えた。雇用の改善がもたつくなか、マンション販売の回復に持続力があるかはなお疑問が残る。
55都市で値上がりした。都市の規模別にみると、省都クラスの「2級都市」は0.4%上がった。それより小さい「3級都市」は0.3%上昇し、21年7月以来のプラスに転じた。北京、上海、広州、深圳の「1級都市」の伸び(0.2%)より大きかった。
中小都市を中心に販売が持ち直したためだ。不動産シンクタンクの易居不動産研究院によると、2月の取引面積は2級都市で前月比5割、3級都市で7割それぞれ増えた。対照的に、1級都市は2割減った。
政府の不動産規制で21年後半から住宅市場は停滞が続いた。最も早く値下がりに転じたのが3級都市で、ピークの21年8月から23年1月まで5%下落した。ピークからの下げ幅は1級、2級都市より大きい。2月に手ごろな物件の売れ行きが伸びた可能性がある。
今後の焦点は、販売回復に持続力があるかどうかだ。住宅購入に慎重な家庭は少なくない。住宅ローンが大半を占める1~2月の家計向け中長期融資の純増額は前年同期比56%減った。
UBSの汪濤・首席中国エコノミストによると、同社のデータ調査部門が春節(旧正月)後に実施した調査で、33%の人が「今年は家を買わないだろう」と答えた。22年の春節後に行った調査(20%)より高い。
住宅需要の「中古シフト」も新築販売の逆風となりかねない。易居不動産研究院によると、1級都市を含む主要8都市の中古マンションの販売件数は2月、前月比8割増えた。1級都市の新築販売面積が2割減ったのと対照的だ。根強い中古需要の背景には、新築の予約販売に対する不信感がある。
コメントをお書きください