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三井住友建、23年3月期最終赤字205億円 工事追加損失

従来予想の最終黒字20億円から一転、2期連続の赤字になる。国内の大型建築工事で169億円の工事損失を追加計上。資材価格や労務費の高騰も響く。年間配当は従来予想から4円引き下げ、前期より6円減の14円とする。

同日、新井英雄会長が責任を取って4月1日付で辞任すると発表した。後任には君島章児副社長が就任する。会長と社長の役員報酬を4月から半年間、50%減額するなどの役員報酬の減額も併せて発表した。

今期の業績は売上高は従来予想(4550億円)を据え置いたが、営業損益は75億円の黒字から125億円の赤字に、経常損益は55億円の黒字から130億円の赤字に下方修正した。

遅延している大型建築プロジェクトで、施工図面の作製が遅れたほか、工場で製作する部材で不適合が出た。図面作製や部材製作の人員増に加え、生産ラインを増強するなどの追加費用を計上する。労務費や資材価格の高騰も響く。

利益が出る前提で税負担軽減を見越して積んでいた繰り延べ税金資産の一部を取り崩し法人税等調整額を計上することも利益を押し下げる。