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ケッペル、ミャンマー高級ホテルを78億円で売却

同地のホテル業界は新型コロナウイルス禍に加えて2021年のクーデターの打撃が大きい。ケッペルは不採算資産を手放し、事業再編を急ぐ。

ケッペルはミャンマーのホテル事業の持ち株会社をシンガポールのホテル投資会社スプリング・ブロッサム・ベンチャーズに売却する。23年前半に手続きを終える見通し。ケッペルは環境事業の強化へ資産の整理を加速しており「売却益を新たな成長機会に生かす」とした。

セドナはコロナ禍で営業を休止した。ケッペルは21年12月期、同ホテルについて損失引当金を計上していた。

スプリングのロー・ヘンフアット最高経営責任者(CEO)は日本経済新聞に対し「市場は落ち着きを取り戻しており、ホテルを再開して事業を継続する」と述べた。再開時期は未定だが「新たなホテル運営会社を探している」とした。

コロナ禍が収束してきた現在もミャンマーでは休業を続けるホテルが目立つ。同国の不動産コンサルティング会社、CIMプロパティーコンサルタンツは「大型ホテルの需要はわずかに回復したが、外国人旅行者の伸びは鈍い」と指摘する。

セドナの開業は1996年。国際資本のホテルの中でも早期だった。民主化の成長期待に沸いた2015年には新棟を増築し、客室数を800室近くに増やした。ほかにもケッペルはヤンゴンで地場大手財閥のシュエタン・グループとの合弁で、高級オフィス不動産を開発・保有している。