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倒産11カ月連続増 2月、「息切れ型」広がる

東京商工リサーチが8日発表した2月の全国企業倒産件数は前年同月比26%増の577件と、11カ月連続で前年を上回った。11カ月連続増加はリーマン・ショック前後の2009年4月以来、13年10カ月ぶりだ。新型コロナウイルス禍を受けた実質無利子・無担保の「ゼロゼロ融資」返済が本格化し、経営再建を断念する息切れ型の倒産が広がっている。

 

2月の倒産件数は3年ぶりに前年比プラスとなった。件数の増加率が20%以上となるのは3カ月連続となる。20年2月の651件と比べるとまだ低水準だが、増加基調は顕著になっている。

業種別では飲食業が60件と前年比54%増えた。国内投資ファンドのユニゾン・キャピタル投資先でお好み焼き・焼き鳥チェーンのダイナミクス(東京・中央)は東京地裁に破産を申請した。負債額は約110億円で、コロナ禍を受けた飲食業の倒産で最大となった。

運輸業は2.3倍の36件、建設業は44%増の115件、製造業は15%増の60件だった。燃料や原材料価格の上昇や人手不足の影響が出た。倒産企業の大部分は中小・零細企業で、全体のうち負債額1億円未満の件数は8割弱を占めた。

2月の負債総額は36%増の965億円で、3カ月ぶりに前年を上回った。ゼロゼロ融資を利用した企業の倒産は48件と2.5倍に増え、累計件数は681件となった。最長3年間の利子補給期間は4月から順次終了し、今後は返済が本格化する。経営改善が進まず、事業継続を断念する企業が増えている。東京商工リサーチは「企業倒産は春先から増勢を強める可能性が高まっている」と指摘する。