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オリックス銀絡む投資用マンション 管理会社の賃料入金滞る 数十件規模、取引を調査

物件はいずれも同じ不動産会社が販売したもので、同行は不動産会社から顧客紹介を受けていた。同行は取引が適切だったか社内調査を始めた。

 

支払い遅延が発生しているのは不動産管理会社BLAZE(ブレイズ、東京・渋谷)の管理物件。少なくとも数十件規模発生しているもよう。

物件はいずれも不動産会社ReVie(レヴィー、東京・渋谷)が販売したもの。同社とブレイズはもともとグループ会社で、オーナーの多くはレヴィーの紹介でブレイズに管理を委託したようだ。日本経済新聞は2社にコメントを求めたが回答はなかった。法人登記によると、レヴィーは1月にCAPITALへ社名変更した。

オリックス銀は17年にレヴィーと取引を始めた。マンション購入を決めた顧客を紹介してもらい、審査したうえでローンを提供していた。入金遅延は22年11月ごろ、ローン利用者からの情報提供で把握した。

管理会社はマンション入居者から集めた賃料を物件オーナーに振り込む役割を担う。管理会社からの支払いが遅れると、オーナーらは銀行への毎月のローン返済ができなくなる恐れがある。

オリックス銀は22年12月から、過去にレヴィーから物件を購入し、同行がローン提供して現在も残高がある顧客を対象に聞き取り調査を始めた。ブレイズとの契約関係や賃料の入金状況を確認しており、専用の相談窓口も設けた。ローン利用者には必要に応じて返済猶予に応じる方針という。

オリックス銀は「(ブレイズとオーナーとの)契約には関与しておらず、審査などの手続きに問題はなかった」という。関係者によると、レヴィーは顧客にブレイズを紹介していることを、同行には伝えていなかった。

帝国データバンクによると、レヴィーの21年8月期までの3年間の累計売上高は約200億円。ここ数年で1000戸規模の販売実績があるもよう。オリックス銀以外の金融機関とも取引関係があったようだ。

銀行が投資用不動産ローンの貸し出しを積極化するなかで今回の事案が発生した。銀行は顧客の紹介を不動産業者に頼っているケースが多いが、業者は玉石混交で、トラブルの可能性が指摘されてきた。