セルシスは漫画やイラストの制作に使うアプリ「クリップスタジオペイント」が主力事業だ。デザイナー出身の成島啓社長は次の収益源として次世代インターネット「Web3」に照準を定める。「デジタルコンテンツを広く流通させる仕組みをつくりたい」という。

セルシスは川上陽介・現会長らが1991年に設立した。手作業が多かったアニメーション業界に着目し、同アプリの前身となる制作ソフトを93年に投入、3次元(3D)対応など多機能化を進めてきた。新型コロナウイルス下では、巣ごもり消費で漫画需要が高まったことが追い風になった。1月の平均時価総額は262億円と、3年前の約4.3倍だ。
今後はWeb3関連事業に力を入れる。第1弾として、ブロックチェーン(分散型台帳)技術を活用し、デジタル作品の所有権を保証するサービスを2022年12月に始めた。書き下ろしのデジタルイラストなどを唯一無二の資産として証明する狙いがある。
10日には車載メーターなどのデザイン事業を譲渡する方針を発表、コンテンツ関連サービスに経営資源を集中する姿勢を鮮明にした。25年12月期の売上高は制作アプリで80億円、Web3関連で50億円を目指す。
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