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大阪万博、5社が「空飛ぶクルマ」 ANAやJAL運航内定

空飛ぶクルマは都市部などでの近未来の移動手段と期待されており、世界で開発・実用化の動きが広がっている。万博で日本初の商用飛行を目指し普及に弾みをつける。

 

内定したのは、ANAHDやJALのほか、トヨタなどが出資する米ジョビー・アビエーション、空飛ぶクルマを開発する日本の新興企業のスカイドライブ(愛知県豊田市)、丸紅の5社。また万博会場内に設置する離着陸場(ポート)はオリックスが運営する。万博の運営主体の「日本国際博覧会協会」などが月内にも発表する。

政府は万博のアクションプランで空飛ぶクルマを遊覧飛行や2地点間の飛行で活用し、事業化を目指すと明記している。同協会は22年12月から23年1月下旬まで運航事業者を募っていた。同協会は今後、事業者と連携して具体的な運航体制の構築をめざす。

空飛ぶクルマは万博で来場者の移動手段としての活用を見込んでおり、万博会場と大阪市中心部など3エリアとを結ぶ運航を想定。ただ一般の乗客を実際に運ぶ商用飛行にするかどうかや、具体的な飛行ルートなどは今後の検討課題となる。

応募した各社は空飛ぶクルマの実用化に向けた検討を進めてきた。ANAHDはジョビー社と22年2月に業務提携。JALは独スタートアップのボロコプターに出資する。丸紅は大阪府の補助金を受けて米リフト・エアクラフトが製造する機体を用いて、大阪城公園での有人飛行を近く予定している。

空飛ぶクルマを巡っては世界の企業が実用化を競う。ボロコプターやジョビー社、英バーティカル・エアロスペースなど欧米勢は23~24年ごろの商用化を目指し開発や実証実験を進める。中国でもスタートアップなどが参入している。