生命の危険があるとして収容先から病院に搬送されたが、軍政の流れをくむプラユット政権は譲歩姿勢を示していない。5月までに実施予定の下院総選挙で若者らの投票行動に影響を及ぼす可能性がある。
民主活動家のタンタワンさん(21)とオラワンさん(23)は2022年に「王室の車列が通過する際に道路が封鎖されるのは迷惑か」と問う街頭アンケートを実施し、不敬罪容疑で逮捕された。その後に保釈されたが、今年1月に仲間の活動家の釈放を要求する抗議活動を行い再び拘束された。
1月18日から収容先の刑務所内でハンストを始めた。同月24日には2人とも体重が5~6キログラム減り、心停止の危険性も出たため大学病院に移された。現在も水を少量飲むだけという。政府報道官によるとプラユット首相は健康状態を注視するよう命じたものの、不敬罪改廃や活動家の釈放には応じていない。連立与党に参加する各政党も不敬罪維持を支持している。
タイは王室批判が長年タブーとされてきた。不敬罪は1件につき3~15年の禁錮刑が科される。人権派弁護士団体によると、王室改革を求めるデモが活発になった20年7月から今年1月末までに、少なくとも228人が不敬罪で起訴された。
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