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トレーダー経験生かし原油投資 七転び八起き

■2016年〜 

商社でエネルギー関連のプロジェクトに関わっていたところ、原油のトレーディングを手がけるシンガポール子会社に出向してトレーダーの仕事をすることになった。当時の原油価格は1バレル50〜60ドルくらいで、米国による対イラン制裁やサウジアラビアの石油施設に対する攻撃をきっかけに相場が大きく動くことがあった。

トレーダーは1日の想定最大損失の範囲内なら自由に取引することができた。アナリストに過去のデータを調べてもらったり、会社のネットワークを駆使して現地の人から情報を聞いたりしながらトレードし、4年間で20億〜30億円のプラスになった。

■20年〜 

帰任して本社の管理部門で働き始めた。ほどなくして新型コロナウイルス禍に突入し、時間ができたこともあって個人でトレードを始めた。原油周りのことはわかっているという自負があったので、原油先物や英蘭ロイヤル・ダッチ・シェル(現英シェル)、英BPの株式などを売買したが、プロのトレーダーだった時代とは得られる情報の格差もあり、なかなか勝てなかった。

トレーダー時代にはトレンドに逆らわないことを鉄則にしていたのに、割安だと思って買った石油株を塩漬けにするなど、以前自分がやったらダメだと思っていたことをやってしまった。結局、通年では500万円ほどのマイナスを出した。

■21年〜 

オキシデンタル・ペトロリアムや米シェブロンなど石油株にも引き続き投資する一方で、アップルやテスラといったテック株、海外の不動産投資信託(REIT)、日本の商社株などに分散投資し、21年は年間で900万円ほどのプラスになった。今年の成績は今のところ、トントンといったところだ。

スタートアップに転職して本業が忙しくなったが、余裕ができたら中小型株をよく調べて、これは、という会社にまとまった金額を投資してみたい。