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米住宅価格指数、11月8.2%上昇 20年7月以来の低い伸び

【ニューヨーク=佐藤璃子】米連邦住宅金融庁(FHFA)が31日発表した2022年11月の全米住宅価格指数(季節調整済み)は、前年同月比で8.2%の上昇にとどまった。伸び率は20年7月以来の低水準だった。前月からは0.1%下がった。需要低迷を受けて価格上昇圧力が弱まっていることを映した。

FHFAのエコノミスト、ナタリヤ・ポルコフニシェンコ氏は「住宅ローン金利の高止まりで需要が落ち込んでいる。一方、在庫の低迷も続いているため、住宅価格は4カ月連続ほぼ横ばいで推移した」と分析した。

住宅ローン金利は米連邦準備理事会(FRB)による大幅な利上げを受けて高騰した。米抵当銀行協会(MBA)の調査によると、30年固定の住宅ローン金利(週平均)は10月に一時7.16%まで上がり、01年以来の高水準を記録した。足元では6.2%まで下がり上昇が一服したが、依然として高水準で推移する。

同日発表の米S&Pダウ・ジョーンズ・インディシーズによるS&Pコアロジック・ケース・シラー指数(季節調整済み)では、全米の住宅価格は前月比0.3%下落した。米PNCフィナンシャル・サービシズのエコノミストは「住宅市場の低迷は11月も続いた。23年通年では価格が12%ほど下落するだろう」と指摘した。