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渋谷の東急百貨店本店、31日閉店 55年の歴史に幕

渋谷を代表する商業施設である東急百貨店本店(東京・渋谷)が31日午後7時に閉店する。開業から約55年の歴史に幕を閉じ、跡地には地上36階・地下4階の高層ビルが2027年度に竣工する。隣接する複合文化施設「Bunkamura」(同)はオーチャードホールを除いて4月から休館する。26日から最後のセールを実施しており、常連客などが別れを惜しんでいる。

東急百貨店本店は1967年、渋谷駅から徒歩数分の道玄坂2丁目に開業した。高級ブランドを手厚くそろえ、富裕層らを取り込んだ。89年には隣接地に複合文化施設「Bunkamura」が開業し、音楽や演劇、映画を幅広く楽しめるエリア施設として人気を集めた。渋谷駅から東急本店につながる道は「文化村通り」の愛称で親しまれている。

31日は、東急本店との別れを惜しむ買い物客で館内は混雑した。東京都目黒区に住む女性(55)は今朝のニュースで閉店を知り、昼すぎに夫婦で訪れた。学生時代に制服を注文したこともあり、「青春を過ごした場所がなくなっていく」と寂しげな表情だった。

東急本店の跡地は、東急と東急百貨店、仏LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループの不動産開発投資会社が再開発する。地上36階建ての高層ビルでは、地下1階から地上6階に商業施設が入居する予定だが、具体的な業態は未定。ホテルや賃貸マンションも併設する計画だ。「Bunkamura」はオーチャードホールを除き、27年度まで休館して改修工事を実施する。