留学や一部の就労関連の在留資格による入国者は新型コロナウイルス禍前の19年の水準を上回った。観光目的の入国はコロナ前の1割程度にとどまった。
政府は原則停止していた外国人の新規入国を22年3月に再開した。対象者はビジネス目的や留学、技能実習などに限り、受け入れ先の企業や学校が入国後の行動を管理することを条件にした。
22年の在留資格「留学」での入国者数は16万7000人と、前年比で14倍に膨らんだ。19年の12万1000人も超えた。
「経営・管理」や「高度専門職」といった就労目的での資格でも新型コロナ禍前より多い水準に達した。技能実習生は17万9000人と、95%程度まで回復した。
大半は観光客にあたる「短期滞在」での入国は限定的だ。19年比で9割減の286万1000人だった。
22年半ばから段階的に旅行客の入国を認め始めたため足元では短期滞在の入国も増加傾向にある。22年12月の短期滞在での入国者は130万人程度で、19年12月のおよそ6割の水準にいたった。
全体の入国者数を国・地域別にみると22年の首位は韓国の95万2000人だった。台湾の31万7000人、米国の30万2000人が続いた。
19年に全体の3割弱を占めた中国は7位の15万5000人だった。新型コロナの感染を抑え込む「ゼロコロナ」政策のもとで出国が制限された影響で回復のペースが鈍い。
中国政府は海外から中国本土に入る際に義務付けてきたホテルでの強制隔離を23年1月に撤廃するなど、ゼロコロナ政策の転換を進める。
日本は中国を対象とした水際対策の強化を22年12月に始めた。同国からのすべての入国者に新型コロナの検査をして、陽性者にはホテルなどでの待機を求める。
政府は中国での感染状況を見極めながら、当面はこの措置を続ける方針だ。
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