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年間優待1000件の億万投資家 今の主力は節約関連株 配当・優待長者のスーパー投資術(3)

おまけ好きが転じ、優待投資へ

「子供の頃からお菓子そのものよりも、それに付いているおまけが好きだった」

そう話すのは、株式投資で数億円の資産を築き上げた、みきまるさん。彼が手掛ける"優待バリュー(割安)株投資"は、人気の株主優待が付いた銘柄を購入して大きな値上がり益を狙う、独自の投資手法だ。

みきまるさんは基本的に、優待の付いた銘柄しか購入しない。株式投資を始めたきっかけも、「吉野家ホールディングスの株を買うだけで、牛丼を食べることができる優待券がもらえる」という"おまけ"に魅力を感じたからだ。

ただ、好きな優待株を買っていくだけで、数億円にまで資産を膨らませるのは難しい。数百冊もの投資本を読破してきたみきまるさんは、「優待を楽しみながら儲ける」優待株投資の手法を日々研究し、研ぎ澄ませてきた。

主力は、冒頭で紹介した優待バリュー株投資。①株価の割安度を測る指標である「PER(株価収益率)」と「PBR(株価純資産倍率)」を掛け合わせて11.25未満②優待利回りと配当利回りの合計が4.0%以上③時価総額が300億円以下――を目安に選定する。3つ目の基準は、時価総額が小さいほど値上がりする余地が大きいと考えるためだ。

気になる優待株があり、それが割高でなければ、「優待バリュー」の基準を満たさずとも取りあえず優待がもらえる最低単元を買ってみる。それら数百銘柄を「優待株いけす」として観察し続け、株価上昇の材料があると考えれば買い増しをしてポジション(持ち高)を大きくしていく。

常に投資の芽を探し続ける

最近の主力は、"節約関連銘柄"だ。「インフレ下でも需要が強く、業績がいい」と、みきまるさん。例えば、300円均一ショップ「3COINS」やアパレルブランドなどを展開するパルグループホールディングス。3COINSを軸とした雑貨事業が堅調で、2022年3〜8月期の各利益は過去最高となった。春頃から買い集め、株価はその後に10年来高値を更新。「もう少し買い増しておけばよかった」との悔しさもにじませる。

「パルグループHDは、家族で出掛けた際、他店がガラガラだったのに対して、3COINSに大行列ができていたことから目を付けた銘柄」(みきまるさん)

その他にも、ゲオホールディングスを主力に置く。「DVDやCDレンタル事業は今後厳しいが、リユース店『セカンドストリート』に注目している」と話す。同社は粗利率の高い古着の販売が好調だ。22年4〜9月期の売上高は過去最高で、通期予想を上方修正。セカンドストリートの新規出店も進めており、業態転換を図っている。「銘柄名が『ゲオ』であることもポイント。レンタル事業のイメージが強く、リユースの伸びに気付かない投資家も少なくない」と、みきまるさんは話す。

最近は、民放キー局もバルク(一括)買いした。保有不動産の含み益が多い資産バリュー株である点に着目して、TBSホールディングステレビ朝日ホールディングス日本テレビホールディングスフジ・メディア・ホールディングスを保有している。

今後も、有望銘柄の発掘に目を光らせる。パルやゲオの購入の鍵となったのが、「店舗の利用者の目が輝いていたこと」。「どこへ出掛ける時も投資の芽を探している。どんな相場環境であってもチャンスは眠っているもので、それを見つけ出したいと常々考えている」と前向きだ。

優待廃止には柔軟に対応

保有株の優待が廃止になった際、原則は売りで対応する。「優待がないと銘柄への関心が薄れ、詳しく調べることをやめてしまう」ためだ。ただし、優待廃止を受けて投げ売りされ、想定よりも株価が下がればホールド。廃止された優待の1株当たりの金額や投資経験から、株価が下がり過ぎかを判断する。

ビジネスモデルが優良なのに優待廃止で投げ売りされた際、買い増しで対応し利益を上げたこともある。保有株の詳しい業績や業態のチェックはこうした場面でも生きる。