海外ではこれまで直営だった米国事業が不振となったが、今回は地元企業と連携して事業拡大を図る。
首都マニラにある東南アジア最大級のショッピングモール、SMモール・オブ・アジア(MOA)の別館「MOAスクエア」に開業した。アジアで進出するのは台湾に続いて2カ国・地域目となる。すでに2022年12月に先行開業していた。家族連れからカップルまで幅広い消費者層の需要を取り込む考えだ。
先行開業時には行列が絶えず、ソーシャルメディアでの評判も高かったという。同社は23年中にマニラの新興開発地区ボ二ファシオ・グローバル・シティなどでさらに2店舗を新設する計画。ペッパーフードで海外事業を担当する菅野和則氏は「店舗運営が軌道に乗った時点でフードデリバリーも展開する」と述べた。
地元企業イージーフード・レストランツと加盟店契約を結んだ。地元企業側から強い要請があったほか、平均年齢が約25歳と若く、経済成長が著しいことからフィリピン進出を決めた。
同国ではステーキは比較的高価で、祝い事で食べるケースが多かった。イージーフードのエドワード・ホセ社長は「手ごろな価格でカジュアルにステーキを食べられるのが魅力だ」と語った。
ステーキ肉は米国から輸入し、価格は200グラムで599ペソ(約1400円)など日本と同じ価格帯にしたという。立食ではなく、屋内外合わせて約60席を用意した。
課題は店舗の回転率だ。来店客の滞在時間は50分から1時間程度と、日本(30~40分程度)を上回るという。フィリピンでは飲食店に大人数で来店し、長時間にわたって食事を楽しむケースが多い。デリバリーの活用をはじめ店舗運営の効率化が求められそうだ。
同社が拡大を試みた米国事業は、直営による急速な出店攻勢や店員の指導が不十分だったことから不振に陥った。フィリピンでは地元顧客の動向に精通する企業と連携し、安定運営につなげる。
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