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メタバース内の土地対象、ファンド設立 開発し価値高く

投資会社のインテリジェンスクリエイターズ(東京・港)は機関投資家の資金を集め、2023年前半に運用を始める。1兆ドル(約130兆円)といわれるメタバース市場には世界の大企業が相次ぎ参入している。メタバース空間での商業施設の開発や広告スペースの提供で運用利回りを高める。

暗号資産(仮想通貨)に投資したり、次世代インターネットであるweb(ウェブ)3企業のトークンに投資したりするファンドは世界で増えている。ただ、メタバース上の不動産や、アバターに着せるウエアラブル形態の非代替性トークン(NFT)に絞って投資するファンドは珍しい。

ファンド名は「メタバース・インベストメント・ファンド1号」。国内匿名投資組合の仕組みを使う。このほど機関投資家特例業務として関東財務局に届け出した。募集手数料は1%、運用手数料は3%。年2~3割の利回りを目指す。まずは自己資金で投資を開始し、機関投資家の資金を加えて当初は10億円程度のファンドとする考えだ。投資期間は2~3年を想定する。

主に投資対象にするのはメタバース上にある不動産NFTだ。例えばゲームの「ザ・サンドボックス」ではLANDと呼ぶ不動産NFTが個数限定で発行され、取引されている。立地などから不動産NFTの割安・割高を分析した上で、割安なNFTに分散投資する。

メタバース空間にある不動産NFTの上にはショッピングモールや美術館などの施設を構築できる。インテリジェンスクリエイターズは企業と提携することで商業設備を構築し、集客することで不動産NFTの価値上昇を目指す。広告などのスペース提供でも収益を積み上げる。社会課題の解決を目指す地方自治体や障害者支援の公益財団法人に保有する不動産を提供することも検討する。

NFT価格は投機マネーの流出入で乱高下が激しい。NFT取引を追跡するノンファンジブル・ドット・コムによれば、22年7~9月の平均価格はピーク時の1~3月から9割近く下落した。大手仮想通貨交換業者FTXトレーディングの経営破綻も逆風で、機関投資家マネーの取り込みは難航する可能性もある。

(フィンテックエディター 関口慶太)