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ファストリ柳井正氏 ピンチの今こそ「世界大移動」 ファーストリテイリング会長兼社長

「世界の分断が始まる」と言っている人が多い。僕は反対に世界が本当につながっていくと考えている。世界のあらゆる事件が即座に日本や個人に関係してくる。今までなかったことだ。

新型コロナウイルスが感染拡大したときも毎日、テレビ会議で人に会っていた。今は海外の人の来日が解禁されたことで、どんどん取引先が日本に来ている。僕らも海外に行っている。コロナをきっかけに、人と人がつながる意義を考えられるようになった。

ローカルはグローバル

日本の経営者には「日本という一つの国だけに閉じてビジネスを考えるな」と伝えたい。当社は米ニューヨークで「世界本部」の機能を強化していく。欧米のビジネスが軌道に乗り始めたことで、日本からの遠隔操作ではビジネスができないと考えたためだ。

これからは「顧客のために仕事をする」といった経営の本質は守りつつ、気候や民族、宗教などローカルなニーズに応えていく。ニューヨーク発のユニクロもあれば、パリ発、ロンドン発、北京発、東南アジア発も出てくるかもしれない。

それぞれの拠点が自主性を持って開発に取り組めばいいが、特定のローカルだけで売れる商品はいらない。世界に通じる商品を開発することが重要で、「ローカル・イズ・グローバル、グローバル・イズ・ローカル」の発想を大切にする。