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韓国貸出金利が急上昇、年5.6%に 高速利上げで消費に影

【ソウル=細川幸太郎】韓国の銀行貸出金利が上昇している。韓国銀行(中央銀行)によると、2022年11月の平均貸出金利は年5.64%と前月比で0.38ポイント、前年同月比で2.41ポイントも上昇した。住宅ローン金利が最大で8%を超えるケースもあり、韓銀の高速利上げの影響が国民生活や消費に広がり始めた。

韓銀は13日の金融通貨委員会で、政策金利を0.25%引き上げて年3.50%とした。利上げは7会合連続。韓銀の李昌鏞(イ・チャンヨン)総裁は同日の記者会見で「国内経済の成長率は事前予想を下回るものの物価上昇傾向は根強く、物価安定に重点をおいて緊縮基調を続ける必要がある」とし、利上げ継続の必要性を訴えた。

韓銀は米連邦準備理事会(FRB)の急速な利上げに追従する形で、21年8月から利上げに転じ政策金利を年0.50%から3.50%まで引き上げてきた。そのため同期間で平均貸出金利は年2.87から5.64%に上昇した。

利上げで直接的な影響を受けるのが不動産市場だ。韓国メディアによると、KB国民銀行と新韓銀行、ハナ銀行、ウリ銀行の四大銀行の住宅ローン金利は年5.27%~8.25%に高まっている。

KB国民銀行によると、マンション売買価格(全国平均)は22年7月にピークを打って6カ月連続で下落が続く。文在寅(ムン・ジェイン)政権下の5年間で75%上昇した不動産価格は金利上昇によって下落に転換した。

苦しいのは高値づかみでマンションを購入した世帯だ。値上がりを見越して所得に見合わない住宅ローンを組んだ家族も多い。家計負債は22年9月時点で1870兆ウォン(約195兆円)と5年前と比べて4割増加。住宅ローンの8割超が変動金利で組まれており、「利子負担がわずか1年で倍増した」(30代男性会社員)という世帯も少なくない。

韓銀担当者は「多額の家計負債が国内消費の回復に重荷になる」とし、「民間消費」の23年見通しを前年比2.7%増(22年は同4.7%増)と失速するとみる。

貸出金利の上昇に対して、預金金利の伸びには陰りが見える。11月に金融監督院が銀行に資金が集中するのを避けるために預金金利の引き上げ競争を自制するように勧告したためだ。一時は定期預金で年5%台の金利を提示していた大手銀行も足元で4.5%程度に引き下げており、貸出金利の上昇は銀行の収益拡大につながっている。