世界の他地域と比較して、巨大地震が連続で発生する確率が高いことも示した。
東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで起きる南海トラフ巨大地震は、マグニチュード(M)8~9級が30年以内に70~80%の確率で起きるとされる。一方、研究チームは過去の事例が少ないため、後発地震の発生確率は誤差の範囲が大きく「予測には不確実性が伴う」とした。
チームは、約110年間の世界の地震統計データや1361年以降の南海トラフ地震の発生履歴を分析。東西に長い震源域の片側でM8.0以上の地震が起き、もう一方の側で後発の巨大地震が起きる恐れが高まる「半割れ」を主に想定した。
発生確率は先発地震から6時間以内が1.0~53%で、通常時と比較すると1300~7万倍。1日以内は1.4~64%と460~2万1千倍と急上昇する可能性を示した。
また世界の他地域では、3年以内にM8以上の巨大地震が連続して起きる確率は5.3~18%だったが、南海トラフ地域では4.3~96%と高くなるとした。
国は2019年から、後発地震発生の可能性が高まった場合に警戒や注意を呼びかける「南海トラフ地震臨時情報」を運用している。
研究を主導した東北大災害科学国際研究所の福島洋准教授は「M8クラスの地震が間髪入れずに起きる可能性もある。普段からの備えが重要だ」としている。
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