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長期金利操作、早期撤廃も 日銀、継続条件に解釈余地

当面の焦点は17~18日の次回金融政策決定会合。物価見通しが上方修正され、政策継続の条件として日銀が示す文言の柔軟な解釈の余地への関心も集まりそうだ。長期金利コントロールの撤廃へと近づく印象を与える可能性がある。

 

日銀は2022年12月の決定会合で、長期金利の変動容認上限を0.25%程度から0.5%程度に引き上げたばかりだ。操作対象の10年物国債利回りがへこんで利回り曲線がゆがみ、市場機能が低下した状態の改善が狙いだった。早くも再度の政策修正が意識されるのは、状況が十分に良くなっていないためだ。

対応策として上限の再引き上げも一案だが、利回り曲線がゆがむリスクは残るかもしれない。そこで長期金利のコントロール自体をやめてしまうとの予想が出ている。

問題は、日銀が長期金利操作から手を引く場合、22年12月と異なり市場機能の改善という理屈だけでは決めにくいことだ。従来「2%の物価安定の目標の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで、長短金利操作付き量的・質的金融緩和を継続する」と約束してきた。

ただ18日の次回決定会合では、消費者物価上昇率見通しを上方修正する方向だ。「22年度(22年10月時点で2.9%)、23年度(1.6%)の(生鮮食品を除く)見通しの小幅上方修正を検討するほか、24年度(1.6%)も2%近くに引き上げる公算が大きい」(22年12月31日付日本経済新聞)。24年度の上方修正には、23年度に政府が実施する物価高の負担軽減策の反動という特殊要因も含まれるが、いずれにせよ2%に近づく方向性は出そうだ。

 

物価見通しと政策との関係を考える際に重要なのは、長期金利操作の継続条件に柔軟解釈の余地がある点だ。物価2%の安定的な持続に「必要な時点」とは、2%の安定的な持続が実現した時点では必ずしもなく、それを見通せたタイミングも含む。いつまでの実現が必要なのかも明確化されていない。2%に近づく物価予想が出ると、金利操作撤廃のハードルが高くないとの受け止め方も増えるかもしれない。

3月10日や、1月の次に物価予測を示す4月28日の決定会合も関心を集めそうだ。日銀が重視する春季労使交渉の状況も見えてくる。この賃上げに関しても、日銀は「表面的な数字だけではなく背後にあるメカニズムを含めて評価する」(黒田東彦総裁)とのスタンス。春には総裁交代もあり、より柔軟な姿勢を示すかもしれない。

こうした状況から、長期金利を操作する政策は早期に終わるとの見方も出ている。門間一夫元日銀理事は「1月の決定会合で決まる展開にも一応要注意」と指摘。「4~6月に長短金利操作の枠組み終了が決まる」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券の六車治美氏)との予想もある。

6年以上続いた長期金利操作の終了は円高要因になりうる。株価や経済にも影響を及ぼすと考えられ、23年の大きな注目ポイントになる。

(編集委員 清水功哉)