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米ジロー・グループ、5カ月ぶり高値 不動産市況、改善見込む

9日には一時39ドル台半ばと2022年8月以来、およそ5カ月ぶりの高値まで上昇する場面があった。急激な金利上昇の影響で減速感が強まっていた米国の不動産市況が、インフレ圧力の緩和などにより早期に上向くとの期待感が生じ、投資資金が流入している。

 

同社は不動産や住宅関連情報のプラットフォームを展開する。21年にはハイテク株高の流れに乗って一時200ドル台まで上昇していたが、不動産市況の先行き警戒感や、人工知能(AI)を駆使した不動産購入事業の失敗により株価が低迷していた。

株価が持ち直しているのは、事業再編が進展し「不動産向けプラットフォームに注力することで利益拡大を進められる」(米調査会社)との見方が広がりつつあるためだ。足元では不動産市況が早期に上向くとの米証券会社のリポートも手がかりとなっている。

もっとも、米国の金融引き締めが想定以上に長引けば株価には逆風だ。「不動産市場におけるジローの立ち位置は魅力的だが、金利や失業率などによる住宅価格の下落が同社に悪影響を及ぼす可能性もある」(米ゴールドマン・サックス)との指摘も出ている。