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建築家・中山佳子さん 水戸の中心部を「歩きたい街」に 未来の旗手たち 茨城

水戸市は中心市街地の空洞化が長年の課題になっている。それに一石を投じたプロジェクトが「水戸まちなかリビング作戦」だ。2022年の日本空間デザイン賞の展示空間部門で銅賞を受賞した。プロジェクトを中心となって推進した一人が、街や建物・空間のデザインを手がける建築家の中山佳子さん(35)だ。

 

中山さんは水戸市で生まれ育った。水戸市は幹線道路沿いにロードサイド店が並ぶ一方、駅周辺で空き店舗が増えている。「地元を元気にしたい」と、プロジェクトに専門委員として参画した。

歩行者を中心とした街づくりのため、21年10月、3週間にわたり11の展示を企画。約450人がプロジェクトに関わった。デザインのガイドラインを策定し、レモンイエロー色をテーマカラーにしてカフェやドッグランを設置し、歩いて楽しい商店街を目指した。

道路にラインを引くなどの工夫で車速を抑える効果が認められたほか、区間の歩行者人口を2.5倍にした。

地方でまちづくりのカギとなるのは、ソフト・ハード両面で専門人材が関わることだと中山さんは分析する。地方都市では「世代の新陳代謝が進んでおらず、若い世代の意見が採り入れられにくい」という。

今回は市職員や大学教授などの協力をとりつけ、学術的な意義づけをすることで実行にこぎつけた。取り組みの持続にも意欲を燃やしている。(松隈未帆)

なかやま・よしこ 1987年、茨城県生まれ。横浜国立大学大学院修了。日本設計で建築士として勤務する傍ら、明星大学非常勤講師も務める。プロジェクト期間中は都内から水戸に足を運んだ。