· 

環境保護は地球への「家賃」 PollutersOut共同創設者 アイシャ・シディカ氏

資源開発や気候変動による飲み水の汚染が原因だ。環境問題への取り組みと、基本的人権の保護という意識が分断されていることが大きな課題だと感じてきた。

2019年にニューヨークで学生数十万人が集まった環境デモの運営に関わり、20年設立の環境団体「Polluters Out」などで気候変動について周知する活動をしている。国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP)が化石燃料企業との利害関係を絶つようにキャンペーンも続けている。

気候変動危機に関する議論で重要なのは、二酸化炭素(CO2)の排出量だけ解決すればいいのではないということだ。22年にパキスタンを襲った大洪水では、溜まり水や衛生環境の悪化でマラリアなどの感染病が広がり、家を追われた人たちは困窮に苦しんでいる。気候変動は人権、女性の権利、貧困など幅広い問題とつながっている。

環境保護を目的とした政策であっても、それが先住民族や地元住民の人権を侵害するものであれば間違っている。環境政策と、人権など他の権利を分離して考えるべきではない。

化石燃料は廃止すべきだが、先進国も新興国も資源を奪い合う構図が続いている。排出量が多い先進国は、自国だけで気候変動などの問題に対処することはできないことを前提に行動する必要がある。

私の育ったパンジャブ地方のコミュニティーでは先祖代々、自然との共生が当たり前だった。環境を守りいたわることは、目や鼻と同じように自分の存在の一部であり、地球に住んでいる以上は払うべき「家賃」だと考える。今まで自分を(特別なことをしている)活動家と考えたことはない。私はただ環境の権利と人間の権利を守る人だ。

私たちは気候変動危機の最悪の事態を防ぐことができる最後の世代だ。気候変動の影響を受ける世代として、若い人が現状を変えるべく挑戦することを続けなくてはいけない。

(聞き手は今出川リアノン)