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東京23区分譲マンション賃料、11月0.2%上昇 2カ月連続

東京カンテイ(東京・品川)がまとめた11月の分譲マンション賃料は、東京23区が前月比6円(0.2%)高い1平方メートル当たり3826円だった。上昇は2カ月連続。世帯年収の高い共働き夫婦「パワーカップル」などによるマンション需要の底堅さから高値圏での推移が続いている。埼玉県や千葉県でも賃料が前月比で上昇した。ただ物価高や景気の先行き不透明感から、2023年以降にかけて賃料の伸びが弱含むとの見方もある。

分譲マンション賃料は、マンションの住戸の持ち主が人に貸す際に設定する賃料。転勤の間に貸すケースやもともと賃貸するために購入する投資用のケースがあり、賃料には景況感も映される。

首都圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)は前月比14円(0.4%)高い3305円と2カ月ぶりに上昇した。埼玉県が12円(0.6%)高い1902円、千葉県が10円(0.6%)高い1828円、神奈川県は10円(0.4%)安い2449円だった。東京都心の賃料が高止まりするなか、出費を下げたい人の受け皿として東京近郊の住宅ニーズが引き続き強いという。

近畿圏は7円(0.3%)高の2102円。大阪府は平均築年数がやや進み14円(0.6%)安い2319円に下落した一方、兵庫県は25円(1.4%)高い1773円と3ヵ月連続で上昇した。中部圏は9円(0.5%)高い1870円となった。

23年以降の見通しについては慎重な声も聞かれる。日銀が発表した12月の全国企業短期経済観測調査(短観)では、大企業製造業の景況感を示す業況判断指数(DI)がプラス7と4四半期連続で悪化した。「景気懸念や物価の先高観が強いなか、入居者側の懐事情が悪化し『家賃にかけるお金を減らしたい』という考えが強くなってきた場合は、すでに家賃水準が高値圏にある都心部などのエリアは需要減少により賃料が今後弱含む可能性がある」(東京カンテイの高橋雅之主任研究員)という。

12月中旬には日銀が大規模金融緩和の方針を変更し、従来0.25%程度としてきた長期金利の変動許容幅を0.5%に拡大すると決めた。事実上の利上げとなる。日銀がさらなる金融引き締め方向に舵を切れば国内の景気懸念が強まり、住宅市場でも高価格帯住宅の需要減少などを通して影響が出るとの見方が足元で浮上しつつある。

もっとも「賃料契約は2年など複数年単位での契約が多く、景気に対して(賃料下落などの)影響は遅れて出てくる傾向がある」(東京カンテイの高橋氏)といい、少なくとも来年前半ころまでは賃料は底堅いのとの見通しもあった。(小池颯)