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法人最低税率15%、23年に 引き下げ競争に歯止め

経済協力開発機構(OECD)加盟国を中心とする約140カ国・地域は21年、法人税の最低税率を設定する「グローバル・ミニマム課税制度」で最終合意した。これに沿って国内制度を整備する。23年に関連法が成立すれば、先進国の国内法制化で先頭グループとなる見通しだ。

 

最終合意で示された売上高7.5億ユーロ(1000億円超)以上の企業を対象とする。OECDによると、該当する企業は世界で1万社超、日本に860社超ある。東南アジアなどに工場を持つ自動車会社のように、海外展開する製造業などが対象になりそうだ。

対象となるグローバル企業は、進出先の国の法人税の実効税率が15%を下回れば、親会社がある本国で差分を支払う。タックスヘイブン(租税回避地)と呼ばれる税率の低い国がある。例えば法人税率5%の国に子会社を持つ日本企業の場合、日本の税務当局に対して15%との差の10%分を親会社の税金に上乗せして払わなければならない。

企業が現地で支払った給与などの経費は計算から除外することを認める。国別の売上高が1000万ユーロ未満などの場合は、計算を省略できる。事務負担が重くなりすぎるのを防ぐ。

グローバル企業はすでに主要国の税務当局に国別の納税状況などを記した報告書を提出している。当面はこの報告書を活用した実効税率の計算が可能だ。

各国の法人税の税率引き下げ競争が行き過ぎ、多国籍企業の課税逃れや各国・地域の税源浸食といった弊害が目立っていた。新型コロナウイルス対応で財政赤字が膨らんだことも最低税率を導入する国際合意の追い風となった面がある。

大企業に適正な負担を求め、富の偏在を是正する効果が期待される。OECDは世界全体で年間約1500億ドルの追加税収が生まれると推定する。