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税制改正、主要項目固まる 若年層へ資産移転促す

政府・与党が近くまとめる2023年度税制改正大綱の主要項目が13日、固まった。若年層への資産移転を促すため、相続・贈与の制度を見直して円滑な生前贈与を後押しする。自動車関連では脱炭素に向けて電気自動車(EV)の普及を促す仕組みにする。

自民、公明両党の税制調査会で一致した。週内にも大綱をまとめる。

相続・贈与の税制は、高齢者が持つ資産が子育て中の子世代などに移転しやすくする。

1年間に受けた贈与に課税する「暦年課税」は贈与された財産を相続財産に加えて相続税の対象とする期間を、現行の死亡前3年から7年へと延長する。これにより子世代の事情に合った時期に実施しやすくなる。

要件を満たした場合に選択でき、相続時にまとめて税を徴収する「精算課税」は累積2500万円の非課税枠を設け、超えた部分に一律20%を課す仕組みだ。今は数万円などの少額でも贈与を受ければ申告する必要があり、利用者の負担が重いと指摘されていた。今後は年110万円までの贈与は申告不要にして使い勝手をよくする。

自動車は35年に新車販売に占める電動車の割合を100%とする政府の目標を見据えた税制にする。車を買うときに環境性能に応じて購入額の0~3%の税率がかかる自動車税の環境性能割と、車検時にかかる重量税のエコカー減税について、現行制度を23年末まで延長した上で段階的に適用基準を引き上げる。

今の環境性能割は30年度燃費基準を60%達成した車の税率が2%に軽くなる。24年1月からは軽減対象の最低ラインを70%とし、25年4月には75%に上げる。EVや燃費基準を95%達成するハイブリッド車は25年4月以降も非課税とする。

エコカー減税は25年5月以降は事実上、ガソリンのみを動力源とする車を優遇の対象外とする。

少額投資非課税制度(NISA)は24年から恒久化・無期限化する。年間の投資枠は合計360万円とし、投資信託に限ったつみたて型は120万円と現行の3倍に、国内外の上場株にも幅広く投資できる一般型は240万円に倍増させる。

自民党の宮沢洋一税制調査会長は「インデックス型などの証券商品を長期保有していれば、経済の成長とともに増えていく。そういう方向にかじを切る一石を投じる制度になる」と意義を説明した。1800万円の生涯投資枠も設ける。買い付け額の残高で管理し、評価益は含まない。

一方、所得が30億円を超えるような富裕層への課税強化も決めた。200~300人が対象となる見込み。所得50億円のケースでは2~3%負担が増える想定だ。25年から適用する。

個人投資家が上場株などを売却してスタートアップに再投資をする場合に、売却益を20億円まで非課税とする。

大規模修繕工事を実施したマンションの固定資産税を減額する特例措置もつくる。建築から長い年数のたった建物が増えることから、積立金を確保して適切に管理されるよう税制で後押しする。

管理計画が基準を満たしていると自治体が認定したマンションのうち築20年以上を減税対象にする。23年4月から25年3月末までの期間に外壁補修などの工事が完了すれば、建物部分の翌年度の固定資産税の3分の1を減額する。