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企業所有地の生物多様性、数値で評価 積水ハウスが12月

琉球大学と開発した手法を用いることで、木々などの植生による鳥やチョウなどの在来種の再生具合を可視化できる。所有地が生物多様性に貢献していることを示すことができ、将来的には資産価値の向上にもつながると見込む。

生物多様性を定量的に評価する際のイメージ。土地を所有する企業の要望に合わせて数値化する

企業緑地の認定制度「SEGES(シージェス)」を手掛ける公益財団法人・都市緑化機構(東京・千代田)と連携する。SEGESの認定を受けた87カ所の企業緑地が対象で、土地を保有する企業の要望に応じて評価する。実際の数値化は琉球大学の教授らが創業したシンク・ネイチャー(那覇市)が担う。

積水ハウスは2001年、住宅の緑地に植樹する事業を開始。20年間で戸建て住宅を中心に1700万本以上の木々を植えており、琉球大学が持つ生き物の生息データと組み合わせることで、木々の種類ごとにどのような鳥やチョウが生息するかを把握できる。全国各地を地点ごとにデータ化しており、緑地が位置する場所と植樹データを参照して生物多様性の貢献度合いを可視化する。

同じく12月1日には生物多様性が健康に与える影響について、東京大学大学院の農学生命科学研究科と共同研究を開始する。緑地などを通して自然と触れ合うことで身体や精神にどのような影響が及ぶのかを検証する。

積水ハウスの近田智也執行役員は「積水ハウスだけが植樹していても効果はそれほど上がらない。他社も含めて皆で取り組むことで社会を変えていきたい」と話す。