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東京大学、女性教授ら300人採用 新ポストで多様性向上

東京大学が2027年度までに女性の教授・准教授約300人を採用する計画を固めた。海外大学と比べ低い女性比率を16%から25%へ引き上げる。ポストの新設や女性限定の公募といった手法を用いる。女性教員の具体的な採用人数を大学が打ち出すのは異例だ。学内の多様性を高め、教育や研究の質向上を図る狙いがある。

経済協力開発機構(OECD)加盟国の高等教育機関の女性教員比率は平均45%だ。日本は最低の30%で、東京大の16%は国内でも特に低い。国内トップクラスの大学が大規模な女性採用に踏み切ることで、比率改善へ向けた動きが他大学に波及する可能性がある。

東京大が近く公表する計画によると、22~27年度までの6年間で女性の教授141人、准教授165人を新たに採用する。女性の教授・准教授は22年度時点で約270人で、退職を考慮すると27年度までに1.5倍の400人程度になる。女性の助教や講師も増やし、全体で約5千人いる教員のうち25%を女性とする。

東京大の人事採用計画は各学部がつくる。女性教員を採用する学部に予算を手厚く配分して促す。教員ポストの公募を女性に限定するといった方法が想定されている。

これとは別に、外部で活躍する女性研究者向けの教授ポストを新設。通常の給与水準より高い待遇で招く。財源には女性活躍を推進する取り組みに使える文部科学省の補助金を充てる。

イノベーションの分野では、多様性があるチームの成果が高い傾向があることが知られている。日本政策投資銀行の調査によると、男女混合チームによる特許資産の経済効果は、男性だけの場合を上回った。大学も多様性の確保が求められており、女性比率の低い大学は海外の優秀な研究者を獲得できないという危機感が強い。

(下川真理恵)