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欧州不動産ファンドのパトリシア、日本に1500億円投資へ

欧州の大手不動産ファンド、パトリシアは今後5年間で日本の不動産に最大約1500億円を投資する。日本は市場規模が大きく、低金利下で比較的高いリターンが見込めると判断した。金融環境が大きく変わるなか、割安で安定した市場として海外勢から国内不動産への関心が一段と高まっている。

日本の不動産への投資では、このほど提携したアジアの大手機関投資家1社の資金を活用する。投資対象は東京や大阪など大都市の賃貸マンションだ。主に物件購入後に改装などを施して賃料収入を引き上げ、価値を高めたうえで売却する。国内の不動産開発会社(デベロッパー)と組み、新たな物件開発にも取り組む。

ウォルフガング・エッガー最高経営責任者(CEO)は「東京は世界的にみても不動産の市場規模が大きいうえに、市場の予測性が高い」と述べた。日本は低金利環境が続いた影響で不動産価格が高値圏にあるが、依然として日本に関心を持つ海外の機関投資家は多いという。

パトリシアはドイツを本拠とする不動産・インフラファンド運用会社でフランクフルト証券取引所に上場している。9月末時点の運用資産総額は571億ユーロ(約8兆円)で、この大部分は欧州にある。データサイエンスに強みを持ち、日本での投資では他の地域で培った不動産投資に関するデータやノウハウを活用する。

欧州はエネルギー価格の高騰などで経済が不安定になっている。エッガー氏は「ウクライナ情勢の影響でインフレが加速し、通常とは程遠い状況だ」と述べた。もっとも、住宅需要が高まっている地域もあり「一部の投資資金は引き続き欧州市場に流れ込んでいる」という。

(和田大蔵、日高大)