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近畿大学、起業家の拠点開設 「マグロ超える新事業を」 キャンパス探訪

近畿大学は10月、学生の起業を促す拠点を開設した。立地は大阪府東大阪市にあるキャンパス西門の目の前で、新規アイデアを持った学生起業家が授業の合間や放課後などに訪れる。新拠点での法人登記を可能とすることで、大学発スタートアップの「オフィス」代わりにもなる。一世を風靡した「近大マグロ」に続くイノベーションの目玉を生み出したい考えだ。

「これまでずっと1人で仕事していたが、ようやく居場所ができた」。こう話す猪鹿倉文乃さんは、仮想空間「メタバース」を専用ソフトでつくる事業を立ち上げた経済学部の3年生。既に受注を受けているといい、新拠点「KINCUBA Basecamp(キンキュバ ベースキャンプ)」で自身が立ち上げる会社の登記も予定する。

近大はこうした学生起業の創出に積極的だ。これまでは35社の近大発スタートアップが生まれたが、2025年までにこれを100社に増やす目標を掲げる。近大では水産研究所が完全養殖に成功したクロマグロが有名だが、細井美彦学長は「近大といえばマグロというイメージを超えるような、次世代のアイデアが生まれることに期待する」と話す。

新拠点は大学発スタートアップの「オフィス」代わりにもなる(大阪府東大阪市)

大学発スタートアップの数を増やす狙いについて、世耕石弘・経営戦略本部長は「数を増やさないとインパクトを出すことはできない。ベンチャーに強い大学だという実績やイメージをつくる」と意気込む。今後は数字を追いつつも、東京大学発のユーグレナのような成功事例を生み出せるかが課題だ。(仲井成志)