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「裏アカ部屋」で趣味満喫 伊藤忠系、ユニーク物件続々

働き方改革や新型コロナウイルス禍などでライフスタイルが変わる中、消費者の新たなニーズを探る。

東京都北区に「クレヴィアリグゼ西巣鴨」を完工した。地上6建てで1階は店舗、住居は38戸。都営三田線西巣鴨駅から徒歩9分の物件になる。このうち2DKの1戸に約3.4平方メートルの裏アカ部屋を設置した。

可動式の本棚が入り口になっていて、閉めておけば家族や友人が来訪した際も存在を隠すことができる。部屋の中には収納や飾り棚として活用できる大きな棚、大型マグネットスペースも用意している。

可動式の本棚で自分の趣味などを隠せる「裏アカ部屋」

裏アカとはSNSで使われる用語で、通常使っているものとは別に秘密にしたい趣味や活動などで使うアカウントのことを指す。例えば、アニメが好きでフィギュアやコスプレ衣装を飾ったり動画配信サイトでゲーム実況をしたりする場合に使う部屋になる。

伊藤忠都市開発は2018年、次世代向けの企画検討にあたって大学生の男女約20人とワークショップを実施。5年後にどのような部屋に住みたいかをテーマとして、ヒアリングしたり話し合ったりした。家族や友人に秘密にしている趣味や活動を持っている人がいて、「友達を招く空間」と「自分らしさを追求する空間」を両立したいという声があったことから裏アカ部屋の企画につながった。

今回の裏アカ部屋は当面モデルルームとして公開し、来場者の評判や声などを収集。好評であればほかの物件への展開も検討するという。

分譲マンションでも新企画を打ち出す。東京都江戸川区の「クレヴィア西葛西」で間取りを自由に変えられる間取りのない家を作る予定だ。

東京メトロ東西線西葛西駅から徒歩6分の物件で地上12階建て。総戸数は49戸で、このうち約70平方メートルの3LDKの住居39戸で、購入希望者の要望に応じて間取りのない家に変更できる仕様。10月に購入希望者の募集を始めており、引き渡しは24年4月予定だ。

間取りのない家にはキャスターが内蔵されている可動式クローゼットや収納可能なウオールドアを用意する。家族構成や子どもの成長にあわせてクローゼットやウオールドアの位置を変えることで、ワークルームや子ども部屋などを設けることができる。

野村総合研究所によると、中古住宅の流通は中長期的に増える一方、新設住宅着工戸数は21年度の87万戸から40年度は約4割減の49万戸に減るとされる。伊藤忠都市開発の前田優花氏は「1つの企画で1つの挑戦をしようという社風がある。時代のニーズに合わせた企画で、新たな付加価値を生み出したい」と話した。

(高城裕太)