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医療・健康データをNFT化、ヒューマンズデータ

医療でのデジタルトランスフォーメーション(DX)をてがけるヒューマンズデータ(東京・千代田)は特定非営利活動法人である医療福祉クラウド協会などと連携し、健康データをNFT化する。高い安全性が求められる個人情報を改ざん耐性の強いNFTにすることで、事業会社や健康保険組合間でのデータの移動を円滑にする狙いがある。

ヒューマンズデータが脈拍数や基礎体温など個人の医療・健康データをNFT化する実証実験をこのほど実施した。NFT化したデータが改ざんされた場合には検知できるほか、改ざんなどの影響を受けた状態では正しくデータ取引ができないことを確認した。実験には同社のほか、医療福祉クラウド協会と、ブロックチェーン(分散型台帳)技術を活用したサービス開発のラブロック(東京・港)が参加した。

ヒューマンズデータが開発する医療データの取引システムでは、万が一ブロックチェーンに関するデータが流出したとしても、重要な医療データの流出は起こらない安全性の高い仕組みを採用する。日本では特許を取得済みで、米国、マレーシア、ベトナム、インドネシアで特許を申請中だ。将来は異なるブロックチェーン同士でもデータをやりとりできるようにする。

ヒューマンズデータは病院や健康保険組合が保有する医療データがNFTになることで、企業・団体間で安全な取引ができるようになるとみている。例えば、健康保険組合が健康診断データを匿名化したうえで収集・ビジネス利用したり、保険会社が健康増進する伴い保険料を下げた医療保険を開発したりする際の活用を想定している。

NFTは代替できない固有の価値を持つトークンを指す。ブロックチェーン上で改ざんを防ぐための鑑定書や所有証明を記録することで、コピーを防ぐ。2020年から21年にかけてアートやスポーツ分野でのデジタル作品に暗号資産(仮想通貨)資金が流入したことで投機のイメージが強まった。足元では不動産の価値を裏付けにしたり、企業の社員証に活用したりと、実用の裾野が広がっている。

(フィンテックエディター 関口慶太)