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マンション管理で大和ハウス系 「理事会なし」 本格展開 来年3月までに30棟目標

住民は理事を務める必要がなくなり、一定規模のマンションであれば管理会社に支払うコストも安くなるという。9月末から「タクスタイル」と銘打って営業を開始しており、2023年3月末までに30棟との契約を目指す。

同社は大和ハウス工業のグループ会社で、全国で約4000棟のマンションを管理している。21年から試験的に第三者管理の提案を始め、これまでに神奈川県や埼玉県などで5つのマンション管理組合が理事会方式から切り替えたという。潜在的なニーズは大きいとみて本格展開を決めた。

第三者管理は外部専門家が理事会の役割を代行する仕組み。大和ライフネクストが提供するタクスタイルでは「マンション管理士」の国家資格を持つ同社社員が理事長に相当する管理者となり、理事会は廃止する。

理事会の運営支援業務が不要になるため、「おおむね70戸以上のマンションなら第三者管理に移行した方が管理組合の費用負担を抑えられる」(同社)という。

理事会方式の分譲マンションでは区分所有者が持ち回りで理事を務めるが、住民の高齢化や共働き世帯の増加などにより、理事のなり手不足に悩む管理組合は多い。こうしたニーズをとらえ、近年は大手管理会社を中心に第三者管理導入の動きが広がっている。

もっとも、管理組合から管理業務を受託している管理会社が、発注側にあたる理事会業務まで手がけることに対しては、利益相反を懸念する声が根強くある。管理者が修繕工事などをグループ企業に発注できるようになるためだ。批判を避けるためか、第三者管理を手がけていても対外的に公表するケースは少ない。

大和ライフネクストはグループ内発注など利益相反が懸念される取引については原則、管理組合に発注の経緯や見積もりなど詳細を説明し、総会で承認を得た上で契約するという。管理組合から要望があれば相見積もりも取る。「第三者管理移行後も管理会社と管理組合との信頼関係をベースに不安払拭に努めたい」(同社)

管理会社大手では長谷工コミュニティ(東京・港)も、「スムージー」の名称で第三者管理サービスの提案に力を入れている。表立って第三者管理をうたう管理会社の増加に伴い、理事会方式から移行する管理組合が増える可能性がある。