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NISA拡充・恒久化調整 自民税調幹部が初会合 新資本主義、具体策急ぐ 所得「1億円の壁」議論

自民党税制調査会は11日、2023年度税制改正に向けて「インナー」と呼ぶ幹部の非公式会合を初開催した。資産所得の倍増など岸田文雄首相が掲げる「新しい資本主義」を税制面から後押しする具体策の検討を急ぐ。中間層の資産形成を支援する少額投資非課税制度(NISA)の拡充が柱になる。脱炭素に向けたエコカー減税の見直しも焦点だ。

 

NISAは金融商品の売却益などが一定の範囲で非課税になる制度。誰でも柔軟に使えるように期間や年間の投資枠などの緩和を金融庁などが要望している。

たとえば長期運用向けの「つみたてNISA」でも42年までの時限措置で非課税期間が20年、投資は年40万円までといった制約がある。家計に余裕があるタイミングで額を増やせるよう上限の拡大を議論する。期限については首相が9月下旬に「恒久化が必須だ」と表明している。

資産形成の税優遇は恩恵が偏らない工夫も求められる。つみたてNISAの口座を持つ投資家のうち3割は買いつけ実績がない。単に制度を拡充するだけでは富裕層ばかり有利になりかねない。

富裕層については所得課税の強化も焦点だ。所得が1億円を超すと税負担が下がる「1億円の壁」の是正を求める声がある。

自民党税調の宮沢洋一会長は11日の会合後、記者団に「当然、俎上(そじょう)にはのる」と話した。

宮沢氏は「若い方が使えるお金が増えていく状況を作り出す必要がある」とも述べた。今の相続・贈与税の仕組みでは、まとまった資産を生前贈与すると税負担が重くなりやすい。

燃費性能に応じて自動車重量税を軽減するエコカー減税は23年4月末に期限を迎える。

現状は新車の7割近くが対象になっており、ガソリン車も一部含む。23年度改正でどこまで要件を厳しくするかが焦点になる。一律で免税している電気自動車も性能によって濃淡をつける案がある。