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「派手な白鳥」に気をつけろ

2020年の新型コロナウイルスの感染拡大や16年の英国の欧州連合(EU)離脱決定など、予期されていなかった市場の波乱要因はしばしば「ブラックスワン(黒い白鳥)」と呼ばれる。足元でも今後の市場の混乱を見込む声が増えているが、引き起こすのは黒い白鳥ならぬ「ネオンスワン(派手な白鳥)」かもしれない。

ノムラ・セキュリティーズ・インターナショナルのストラテジスト、チャーリー・マケリゴット氏は9月末、顧客向けのメモで、円や英ポンド、英国債の急落など、米国の金融引き締めに伴う金融市場の混乱をネオンスワンと表現した。「我々はいま、引き締めによる『市場の事故』の段階にいる」と警告する。

ブラックスワンがめったに起きない予測不可能な事象を指す一方、ネオンスワンはめったに起きないが極めて明白で、誰もが認識しているリスクを意味する。普段はおとなしいが暴れ出すと手が付けにくいものとして不良債権や中国の不動産市場などに使われる「灰色のサイ」に似た表現だ。

11年に米ウォール・ストリート・ジャーナルが、債務上限問題に絡んだ米国債の格下げリスクをネオンスワンとして紹介。その後実際に格付けが引き下げられ、世界的な株安につながった。誰もが危険を認識しているのに、実際に起こればパニックは避けられない事態だ。

このところ、弱い景気指標から米利上げの打ち止め期待が高まり株式相場が急上昇するなど市場の一部には緩みもみられる。だが存在感の強い派手な白鳥は、いつまでも無視し続けられるものではない。