· 

健保組合、半数超が赤字 昨年度、高齢者医療への拠出重く

前年度の33%から急増した。医療費の増加に加え、65歳以上の高齢者医療への拠出金が膨らみ、大企業の組合でも赤字が相次ぐ。赤字が続けば保険料率を上げざるを得ず、給付と負担の見直しが急務になる。

 

6日に公表予定の1388組合の決算見込みによると、21年度は全体の53%にあたる740組合が赤字となった。20年度の33%から大きく上がった。全組合の収支を合計すると825億円の赤字で、約3千億円の黒字だった前年度から大幅に悪化した。合計が赤字になったのは8年ぶりだ。

赤字の要因には高齢化に伴う医療費の伸びに加え、現役世代が入る健保組合から65歳以上の高齢者医療への拠出金がある。収入が乏しい高齢者を支えるためだが、75歳以上の後期高齢者の増加とともに医療費が伸び、拠出が膨らむ。21年度は保険料収入が前年度比1%増の約8.2兆円だったのに対し、拠出金は約3.6兆円と3%増えた。

拠出金は後期高齢者医療制度ができた08年度に比べると、1兆円以上増えた。健康保険組合連合会は25年度には約4兆円になると試算する。

比較的余裕がある大企業の組合でも赤字が相次いでいる。日本生命保険の健保組合は21年度に20億円を超える赤字だった。赤字は14年度以来で、過去最も大きい。当面は保有資産を取り崩して対応するが、保険料率の引き上げも検討する。

新型コロナウイルス禍で20年度に受診控えが起き、21年度は反動で医療費が増えた面もある。日立製作所の健保組合は受診が急増し、21年度の収支が赤字になった。トヨタ自動車も赤字だった。

健保組合は独立採算で、赤字が続けば保険料率を上げざるを得ない。21年度は3割弱の組合が料率を上げた。労使折半する保険料率は21年度の平均で収入の9.23%と過去最高の水準にある。