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子育て支援、正社員以外も 出産一時金の増額、75歳以上に負担案

政府は28日、全世代型社会保障構築会議を開き、育児休業中にもらえる給付金の対象を非正規労働者などに拡大する案について議論を始めた。安全網を広げ、子育てしやすい環境づくりにつなげる。出産育児一時金引き上げに向け、75歳以上の後期高齢者らに負担してもらう案も検討する。

育休給付は最長で子どもが2歳になる前日まで受け取れる。給付額は180日までは休業前賃金の67%、181日目以降は50%相当となる。主な財源は労使が負担する保険料で、現在は賃金総額の0.4%を折半している。

この日の会議では子育て支援の充実などについて、有識者が所属する各作業チームの検討状況をもとに議論した。

受給は雇用保険の加入者に限られる。「週の労働時間が20時間以上」「31日以上の雇用見込み」といった要件があり、非正規労働者の一部はカバーされていない。

2021年度の厚生労働省調査によると、非正規労働者を含む有期契約労働者の女性の5人に1人が育休取得の要件を満たしていない。こうした人に給付を広げていく余地はある。フリーランスや自営業者も含めて対象範囲をどこまで広げるかは難題だ。

育休を取る人の増加に伴い21年度の給付総額は約6450億円と10年前の倍以上に増えた。厚労省の試算では過去の平均的な伸び率で推移すると23年度に支出が収入を上回る。給付の伸びが大きいシナリオだと24年度には資金不足になる可能性がある。

雇用の安全網から少子化対策の性格が強まったことを踏まえ、制度を雇用保険から切り離す選択肢もある。その場合も財源の問題は残る。

出産育児一時金は公的医療保険から原則42万円が支給される。出産費用が高い都市部などでは費用を一時金ではまかなえず自己負担が生じているとして、岸田文雄首相が22年度からの増額を表明している。現在は現役世代の保険料が主な財源だが、会議では「医療保険全体の中で支え合う」として一部を高齢者らに負担してもらう考え方を示した。