1日の円買い介入額としては過去最大規模となる。日銀の黒田東彦総裁は26日、経済懇談会後の記者会見で「政府の介入は大変適切であった」と述べたが足元では再び円安基調にある。資金面での限界が意識されれば、金融施策と通貨政策の足並みの乱れを突く動きが加速する可能性がある。(関連記事を金融経済面に)
為替介入は2営業日後に決済されるため、22日の為替介入の結果は27日に反映される。日銀が26日発表した27日の当座預金残高見通しで、為替介入を反映する「財政等要因」による当座預金の減少が3兆6000億円となった。短資会社の試算では介入がなければ0~7000億円の減少が見込まれており、差額の2兆9000億円~3兆6000億円が為替介入の金額と推計できる。
従来の円買い介入の最高額は1998年4月10日の2兆6201億円だった。正式には財務省が後日発表するが、この水準を上回り過去最大となった公算が大きい。
円買い介入に使える資金には限りがあり、介入規模は今後の展開などを考える上で大きな材料になる。介入資金の原資となる外貨準備高は1兆2920億ドル(約180兆円)。うち海外の中央銀行や国際決済銀行(BIS)など、すぐに介入に使える預金は1361億ドル(約19兆円)だ。
22日の介入直後には1ドル=145円台後半から一時140円台前半まで円高・ドル安が進んだが、足元では再び円安が加速している。
円安を招く大規模緩和を続ける日銀と、急速な円安を止めようとする財務省の政策の不一致を突くように、投機筋が円を売る動きを強めている。
黒田総裁は26日夕方、大阪市で開いた記者会見で「(為替介入で)一気に5円くらい円高になった。いまでも143円程度で推移しており、効果はなくなっていない」と強調した。関西経済連合会の松本正義会長は「介入は意義のあるものだった」と語った。
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