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Z世代が変えるマネー(中) 株式投資、元手はポイント 「少額で分散」難しく 単元株制度が壁に

ポイント投資の活用などZ世代ならではの動きも拡大しているが、知識不足や資金面での制約といった問題もある。

慶応大学の実践株式研究会では、学生たちが気になる銘柄の情報共有や相場についての意見交換をし、自主的に取引をしている。多くの学生が数十万円の資金を運用しているという。檜森雪乃さんは国内の大型株を中心に取引する。「メンバーからアドバイスをもらえるのがサークルのいいところ」と話す。

 

20代、30代の多くが投資を始めたと考えられる2010年以降、日経平均株価は堅調に推移した。特にアベノミクスが始まった12年以降は上昇基調が続き、21年2月には30年ぶりに3万円の大台を超えた。

バブル崩壊後やリーマン・ショック後の株安を経験した40代、50代とは対照的だ。同サークルの大胡拓夢さんは「親の世代とは正反対のマインドを持っている」と話す。

フィンテックの活用も若年層の特徴の一つだ。例えばキャッシュレス決済でたまったポイントを活用するポイント投資が広がっている。23歳の会社員の女性はPayPayでためたポイントを活用する。4つの投資コースから運用先を選ぶことで、株価に連動してポイントが増減する仕組みだ。「ポイントを使って投資しているので、損をしても痛手を感じにくい」と話す。

投資をする若年層の数はじわじわと増えてきている。特に手数料の低いネット証券が人気だ。楽天証券によると、22年1~6月期の同社の新規口座開設者のうち20代以下が占める割合は37.9%で17年1~6月期の24.2%から大幅に増加した。

課題は知識不足だ。金融広報中央委員会が22年に実施した金融リテラシー調査によると、18~29歳の金融リテラシー問題の正答率は41.2%ですべての年齢層のなかで最低だった。若年層の投資を広めるために金融リテラシーの向上が急務となっている。

制度面での課題もある。その一つが日本株の単元株制度だ。日本株の最低売買数は100株となっており、資金の少ない若者が購入できる銘柄は少ない。実践株式研究会の峰慶多さんは「投資の基本である分散投資は学生には難しい」と話す。新しい銘柄に投資する際には保有銘柄を売却しなければならないという。

株価水準の低い低位株なら少額でも投資が可能だが、業績や財務状況の悪い銘柄も多い。短期間で激しく値動きすることもあり、長期の運用には向かないという側面もある。学生は今後の長い時間を強みにできるのに、少額から始める長期分散投資が難しいというのが現状だ。

学生や若者だけでなく、「貯蓄から投資」を進めるためには投資の間口を広げる必要がある。単元株制度の見直しなど制度面の改革が欠かせない。