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マンション再生へ要件緩和 関連法改正、法制審に諮問

災害からの迅速な復興を目指し、被災マンション法の見直し検討も諮問。建て替えなどを決議する時に必要な部屋の所有者の合意要件緩和を議論する。

社会の高齢化を背景に、分譲マンションで所有者の所在が分からない部屋が増加。現行法では決議の際に所在不明の所有者は「反対」とみなされるため、法制審は、公的機関が関与し不明者を決議から除く仕組みを検討する。

また区分所有法が、建て替えで5分の4、共有部分の変更工事などで4分の3の同意を求めている要件の緩和も検討。例えば、建て替えの場合に4分の3や3分の2とする案のほか、耐震不足といった一定の要件を満たす場合にのみ緩和を認める案が浮上している。

政令で指定された大規模災害の際に適用される被災マンション法は、所有者の5分の4の合意で取り壊しや敷地の売却を認めている。法制審は3分の2とする案などを検討。建物の価値が半分以下になった「大規模一部滅失」のケースでは、敷地売却を決議できる期間を現行の1年以内から3年に延長する案を中心に話し合う。

葉梨氏は12日の法制審総会で「老朽化した区分所有建物の急増が見込まれる。大規模災害も想定され、管理や再生の円滑化は喫緊の課題だ」と述べた。

マンションは建物の老朽化と所有者の高齢化という「2つの老い」の深刻化が指摘される。国土交通省の調査では、2021年末時点で築40年以上の物件は全国に約116万戸。20年後には425万戸になると試算される。18年度の抽出調査によると、所有者の所在や連絡先が分からない空き室があるマンションの割合は3.9%。築40年以上の物件に限れば13.7%だった。