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株式型クラウドファンディング、年50万円超の投資可能に 規制緩和、リスクマネー呼び込み

従来は年間50万円の上限があったが、規制緩和により年収1000万円以上などの条件を満たせば上限が適用されなくなったことに対応する。スタートアップ企業の調達環境が悪化するなか、個人のリスクマネーを供給する役割を担いそうだ。

株式型CFとは2015年に解禁されたネットを介した少額資金の調達手法だ。個人投資家が1人年間50万円を上限に未上場株を購入し、出資先企業の経営破綻リスクを負う一方、株式上場時などに値上がり益を見込める。ただ年間50万円の上限額では使い勝手が悪いとの声が投資家・調達企業双方から出ていた。

22年7月、これに関連する特定投資家制度の規制を緩和した。特定投資家とは金融商品の知識や経験を持つプロの投資家を指す。今回、純資産1億円以上、有価証券などの資産1億円以上、収入金額1000万円以上の3条件のうち1つを満たした上で有価証券の投資歴が1年以上あれば、特定投資家として認め、株式型CFの投資上限を適用しないことになった。

株式型CF各社は規制緩和に応じたサービスを始める。ファンディーノは9月中にも特定投資家の要件を満たす個人投資家に対して年50万円の上限を超える投資枠を提供する方針だ。日本証券業協会の承認を得られ次第、サービスを始める。CFスタートアップス(東京・渋谷)も今秋、規制緩和に対応する方針だ。

ただ課題もある。特定投資家の出資はオンラインで行うことが義務付けられ、電話も遠隔会議システム「ズーム」も使えない。イークラウド(東京・中央)やユニコーン(東京・新宿)は対応の是非を未定としている。

世界景気が変調するなか、スタートアップ企業の資金調達環境に陰りもみえる。一方で日本には金融資産1億円以上の世帯が132万を超える。規制緩和でリスクマネーのパイプが太くなることはスタートアップの調達環境を下支えしそうだ。

(フィンテックエディター 関口慶太)