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加和太建設、狭小地にオフィスビル 5年で20~30棟

新ブランドを立ち上げ、各フロアに個室ブースを設けるなどの工夫をする。新型コロナウイルス禍で大規模ビルが東京都心中心に苦戦が続く中、スタートアップ企業などの入居を促すことで事業拡大を図る。今後5年間で20~30棟の竣工を目指す。

ブランド名は「WOWK(ワウク)」。まず、7月に「WOWK芝公園」(東京・港)をオープンした。敷地面積約77平方メートルの8階建てで、都営地下鉄三田線の芝公園駅(同)から徒歩5分。賃料は月額27万~41万円台で、スタートアップ企業や地方に拠点を置く企業の東京支社、大学の研究チームなどの入居を見込む。

オフィス内にはあらかじめ個室ブースが設置されている

「WOWK芝公園」では各フロアにあらかじめ面積3~6平方メートルの個室ブースを1~3部屋設け、ブース内に窓を置きエアコンも設置した。採光の調節や適切な温度管理ができるようにして、集中力や生産性の向上につながるとアピールする。

少人数で働く企業などが入居しやすいように、各フロアに独立したWi-Fi(ワイファイ)環境を構築した。インターネット使用料や水道代、光熱費を管理費の中に組み込むことで、入居の際の各種手続きを減らすことができる。また、オフィス内の家具も必要に応じて設置して貸し出す。

狭小地に建つオフィスビルならではの工夫もある。「WOWK芝公園」では各階にトイレを設置せず、1階に男女2つずつ、5階に男女1つずつ置くことで空間を有効活用する。

ザイマックス不動産総合研究所によると、東京23区の7月の規模別空室率は大規模(延べ床面積5000坪=約1万6500平方メートル以上)が4.10%であるのに対し、中小規模(延べ床面積300坪以上5000坪未満)が3.82%となっている。募集面積率をみると、大規模は6.93%であるのに対し、中小規模は5.38%と健闘している。新型コロナウイルス禍を受け、拠点の地方移転や小規模化が影響しているとみられる。

その中で加和太建設は小規模オフィスビルに焦点を合わせた戦略を立てる。同社は「WOWK」ブランドを東京都心の港区、中央区、渋谷区の3区内で5年で20~30棟の竣工を目指しており、同社は東京での事業の柱と見込む。担当者は「東京でめどが立てば大阪や名古屋、福岡などに事業を拡大することも視野に入れる」と話す。

加和太建設は土木工事や公共施設、マンションなどの建設だけでなく、12年からは不動産業、13年からは道の駅や宿泊施設の運営管理などに参入。東京でもオフィスビルや商業ビルの建設などを手掛けている。21年12月期の売上高は約118億円。