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円が対ドルで急落、一時143円台半ばに

各国の中央銀行によるインフレ対応に注目が集まるなか、日銀のみが大規模な金融緩和を続ける構図に改めて注目が集まっている。実需の円売り圧力も根強く、円安に歯止めがかかりづらい構図が続いている。

円は日本時間の6日早朝には140円50銭台で推移していた。6日の東京市場ではオーストラリア準備銀行(中央銀行)が0.5%の利上げに動いたことを受けて改めて低金利通貨の円を売る動きが広がり、24年ぶりに141円台を付けた。

その後も円売りは止まらず、ロンドン市場で海外勢の参入により142円台に下落した。ニューヨーク市場では米サプライマネジメント協会(ISM)が発表した8月の非製造業景況感指数が市場予想を上回ったことで米金利が上昇し、円相場は143円台を付けた。日本時間7日早朝には143円台半ばまで下げ幅を広げた。

円安が進む主な要因は「日本のインフレ率が低く利上げの可能性が低いため、短期的に安心して売れる通貨として円が選ばれている」(国内ヘッジファンド)ことだ。消費者物価指数の上昇率が10%近い欧米と比べ、日本は2%台と相対的に低水準だ。日銀の黒田東彦総裁も粘り強く金融緩和を続ける姿勢を示しており、ドルなど高金利通貨を買う際に売る通貨として円が選ばれやすい。

実需面でも円安圧力が強まっている。今年1~6月の貿易赤字は半期として過去最大にまで膨らんだ。資源高に加えて円安が輸入価格を押し上げ、結果として膨らんだ輸入企業の円売りが円相場をさらに押し下げている。6日は米国の祝日明けに当たり、実需の円売り・ドル買いが普段以上に出やすかった面もある。

円相場の節目は1998年安値の1ドル=147円台まで見当たらないとの声が多い。落ち着きどころが見えない中で下落のモメンタム(勢い)は強く、さらなる円安の進行に警戒感が強まっている。