都心部やリゾート地に加え、地方にある「道の駅」併設型のホテルも増やす。経済再開で国内の旅行需要が回復傾向にあるほか、新型コロナウイルス下の水際対策緩和で外国人観光客の増加も見込まれる。地方を中心にホテルを増やし、旅行需要の回復に対応する。
地元自治体と地方創生に取り組む「フェアフィールド・バイ・マリオット」の出店を強化する。日本では20年から展開し、主に幹線道路などにある道の駅に併設している。宿泊料金は1室1万5000円前後で、1人旅や若年層の利用も多い。地元の食材を使った弁当や、近隣の温泉施設を利用できる宿泊プランを用意するなど地域に密着した商品・サービスを特徴としている。
同社は日本で「ザ・リッツ・カールトン」「シェラトン」「ウェスティン」など高級ホテルを大都市やリゾート地で展開している。国内旅行は回復傾向にあるほか、地方でしかできない体験を重視する旅行客も増えている。有名な観光地以外の地方都市でも一定の宿泊需要があると判断した。
特に重視するのが九州地方だ。現在、宮崎市で「シェラトン」ブランドの大型リゾートホテルを運営している。今後2年半で熊本県阿蘇市や佐賀県嬉野市、福岡県うきは市など九州で10拠点弱まで増やす。九州は東アジアと地理的に近く、新型コロナ前まで人気の地域だった。
訪日外国人観光客需要の本格回復も見込む。政府は9月以降、水際対策をさらに緩和する方針で、添乗員の付かないパッケージツアーが解禁される。
観光需要の回復と円安進行などを受け、日本で外資や海外投資家によるホテル投資が今後一段と進む可能性もある。
「インターコンチネンタル」などのホテルを運営する英IHGホテルズ&リゾーツは23年、東京・渋谷や大阪市内の都心部にホテルを開業する。米ヒルトンも9月に中四国地方へ初進出したほか、大阪や京都での開業を控える。

コメントをお書きください