近年は台風や集中豪雨の後、片付けが進まない空き家の存在が地域全体の復興を妨げるケースも目立っている。また、家族なども空き家を抱えると管理などに手間がかかり、経済的負担も重くなる。
▽…総務省の住宅・土地統計調査によると、2018年時点で空き家は約849万戸ある。住宅総数に占める割合は13.6%に達し、およそ7戸に1戸が空き家という水準にまで達している。国は15年に空き家対策特別措置法を全面施行し、特に問題が大きい空き家に対しては、行政代執行による取り壊し(除却)なども可能とするといった対策を進めている。
▽…国土交通省の空き家所有者実態調査によると、空き家を取得した理由は相続が54.6%と過半を占める。新築や建て替えをした後に空き家になるなどのケース(18.8%)を大きく上回る。さらに25年には、1947~49年生まれで持ち家比率が高い団塊世代が全員75歳以上の後期高齢者となり、住宅の相続も増える見通しだが、子供世代はすでに自身の住宅を所有しているケースも多いため、空き家が一段と増えるきっかけともなりかねない。
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