ヒップアップしたシニアはカッコいい! 谷本先生の筋トレ 人生100年の羅針盤 順天堂大学先任准教授・谷本道哉さん

今回は寝転んで大殿筋を鍛える運動を紹介。強くかっこいいお尻を作りましょう。

日常の動作で筋力への負担が最も大きいものの一つに、イスからの立ち上がりがあります。立ち上がる動作は膝を伸ばす動きのイメージがありますが、上体を前傾してから起こす股関節伸展の動きも強く行っています。

立ち上がる際、お尻の大殿筋などによる股関節の伸展と、太ももの大腿四頭筋による膝伸展が発揮する力の比率は5対5~6対4くらい。実はお尻の筋肉をかなり使っているのです。お尻の筋肉は股関節から大股で歩くのにも重要です。

大殿筋は床に寝転んでお尻を上げ下げすることで鍛えられます。このとき下では腰を反らせて(図①)、上では腰を丸めるように(図②)動作するのがコツです。脚を根元から振る股関節の動きが大きくなり、お尻によく効きます。

できる範囲でよいので、目いっぱい高く上げ切りましょう。上げ切らないヒップリフトなんてありませんよ。

膝を伸ばすほど負荷が上がります。お尻と合わせて腿裏のハムストリングにも効きます。10~20回を目安に、きっちりできなくなるまで行います。できる人はお尻を床につけずに動作を繰り返してみましょう。さらに負荷を上げるにはイスに足を載せて動作範囲を広げます。

しっかり追い込めば、お尻から腿裏がパンパンに張ってくるのが分かるはずです。気持ちがよいですよ。

谷本先生からのエール

お尻が上がれば気持ちも上がる
順天堂大学先任准教授・谷本道哉氏

たにもと・みちや 1972年、静岡県生まれ。大阪大学工学部卒業後、大手建設コンサルタント勤務を経て東京大学大学院博士課程修了。博士(学術)。国立健康・栄養研究所特別研究員などを経て現職。専門は身体運動科学。著書に「スポーツ科学の教科書」(岩波書店)など多数。NHK「みんなで筋肉体操」などに出演。