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若年女性比、143市町村で上昇 移住・就職を一体受け入れ 15~29歳、長野・根羽村が首位

職場づくりや子育て環境の充実に取り組んだ結果、流出に一定の歯止めをかけ、移住者獲得にもつなげた。持続的発展には若い女性の支持は欠かせない。

 

国勢調査を使って都道府県別に15~29歳男女の人数を抽出し女性割合を算出した。2010~15年、15~20年と2期以上連続して若年女性割合が上昇したのは東京都(20年の女性比率49.9%)、大阪府(50.2%)、埼玉県(49.0%)、神奈川県(48.6%)の4都府県のみ。東京は1975~80年から9期連続、大阪は7期連続、埼玉・神奈川は3期連続で、若年女性が育った地域を離れ大都市圏へ集まる構図が鮮明となった。

一方、2期以上連続して女性割合が上昇した市区町村は210あった。東京、大阪、埼玉、神奈川の4都府県以外の地域にも連続して割合を高めた市町村が143あった。

このうち最も高いのは人口855人(21年、長野県集計)の長野県根羽村だった。若年女性は20年に38人と15年比で6人増え、割合も56.7%と10年の40.8%から2期連続で上昇した。今春、役場に就職した2人の女性も村外からの移住者で、村が森林組合や農業法人、道の駅、食品工場などと連携して移住と就職を一体で受け入れる態勢を整えてきたことが奏功した。

 

 

大久保憲一村長は「『若者が住みたい』と思う環境を整えていくことが重要」と話す。20年4月には村立の小中一貫校「根羽学園」が開校し、家賃無料と生活費の月額補助を前提に愛知県安城市から母子の移住を受け入れた。少人数教育が受けられるのに加え、民間と連携して山登りなど体験型の放課後教室や受験指導まで視野に入れた学習塾も整え、応募が相次ぐ。一連の施策は若年女性を呼び込むだけでなく、男女を問わず幅広い世代を呼び込むことにつながっており、21年の総人口は前年より10人増え、1955年以降の減少傾向に歯止めをかけた。

人口4647人の徳島県神山町も若年女性割合が2000年の44.2%から4期連続で上昇し、50.3%となった。若年女性人口は160人で、1980年以降で初めて男性(158人)を上回った。町の人口は10%を上回るペースで4期連続減少するが、IT企業向けのサテライトオフィスやコワーキングスペースを整備して雇用を生み出すなど、将来不安を取り除くことに注力し、流出の抑制につなげた。

地方では女性流出への危機感が強い。15~20年の若年女性割合の低下幅が0.8ポイントと、全国3番目に大きい富山県は21年、多彩な人材が生き生きと暮らせる街を目指す成長戦略「ウェルビーイング先進地域 富山」を打ち出した。

同県では15~20年に総人口が約3万人減少した。特に女性が流出しているとして有識者会合で「50年で15~44歳がゼロになる」との試算を共有した。背景として「女性に社会的抑圧が残り、活躍するロールモデルも少ない」と分析し、女性経営者の育成にも取り組む。

18年度から「輝く女性とっとり」と題して会社員や公務員など県内で活躍する女性ロールモデルの選定・情報発信を始めた鳥取県では、15~20年に若年女性割合が上昇した11都府県のひとつとなり0.6ポイント改善した。上昇幅は神奈川県、東京都に次いで3番目の大きさとなった。