東京都に住む会社員(31)は今年5月、1983年築の都心のマンションを購入し入居した。完成後40年近くたつ物件を購入する決め手の一つとなったのが「販売業者が瑕疵(かし)保険に加入している物件」だったことだ。
中古住宅の瑕疵保険は不動産業者や検査事業者が加入する。主要な構造部や雨漏り防止の設計、施工上の瑕疵による損害が補償され、国土交通相が指定する専門の保険会社が引き受ける。保険期間は1~5年。瑕疵があった場合は調査・修理費用や仮住まい費用が補償される。これまでに中古住宅約16万戸について加入申し込みがあった。
瑕疵保険に加入するには専門の検査員が住宅の状態を確認し、検査基準に合格する必要がある。さくら事務所の田村氏は「1回の検査で合格する住宅は少なく、多くが必要な修繕をした後に再検査している」という。瑕疵保険に加入する住宅は基本的な構造部分の劣化や雨漏りなどのリスクが低いともいえる。
保険料は面積や保険期間によるが数万円が一般的。不動産業者が販売する物件は価格に含まれ、売り主が個人の場合は買い手が別途、保険料を払うことが多い。購入時には保険加入の有無を確認し、未加入なら売り手に加入を頼んでみるのも一案だ。
(大賀智子)
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