ADワークス、非不動産を利益の3割に 25年12月期 中小の資本戦略支援

株価上昇や事業成長を後押しする。現在の経常利益は不動産事業の稼ぎがほとんどを占める。2025年12月期に同利益の3割を不動産以外で稼ぐ方針だ。金利上昇など主力の不動産事業を巡るマクロ環境の先行きは不透明だ。不動産事業に頼らない収益モデルを育てる。

 

ADワークスの全額出資子会社でコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)事業を行うエンジェル・トーチ(東京・千代田)が新事業を手掛ける。

支援の対象は、未上場のベンチャー企業のほか、上場しているものの時価総額が10億円を下回るような企業とする。「業績は堅調でも株式の流動性が低かったり、社債などを出せなかったりする中小企業も多い」(エンジェル・トーチの細谷佳津年社長)。資金調達を手助けし市場の評価を高め、事業の成長を促す。出資企業の株価が上昇すれば収益となる。資金調達の助言による手数料収入も視野に入れる。

ADワークスはエンジェル・トーチを通じ、20年12月にCVC事業を始めた。これまでに5社に出資した実績があり、創業間もない「シード期」などの企業成長を後押ししてきた。ただ、1社だけでは投資余力に限界があると判断。多くの企業と連携することで個人投資家からの資金調達法を増やす。

5月、岡三デジタル証券準備会社に出資し、同社の力を借りて「STO」と呼ばれるデジタル証券発行による資金調達などで支援する。8月には未上場企業に少額出資できるクラウドファンディングを手掛けるFUNDINNO(東京・品川)に出資した。こうした企業などと組み、投資家から資金提供を受けやすい仕組みもつくる。

22年12月期に連結売上高300億円(前期比20%増)、経常利益8億円(23%増)を見込む。