銀座の木造ビル、Appleストアが入居 8月末に

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アップルの店舗が入る銀座のビルが建て替えに入るためで、8月30日から日本初の耐火木造12階建ての商業ビルで営業する。脱炭素の流れが強まるなか、オフィスビルに加え商業ビルでも環境対応が求められる時代に入ってきた。

 

アップルストアが移るビルは鉄筋コンクリートや鉄骨を一部使うものの、建物荷重の過半を木材が支える。木材の使用量は約300立方メートル。震度7程度の地震にも耐える性能を備える。

木造ビルは2021年10月に完成していたが、主要な入居店舗は明らかにされていなかった。アップルストアはビルの半分以上のフロアに入居するもよう。他のフロアには診療所が入る見込みだ。

近年、国内外の大手企業は施設の使用電力が再生可能エネルギー由来かなど、脱炭素の取り組みの有無をオフィス選定の条件に入れ始めた。通常のビルより建設費はかかり家賃もその分割高になるものの、環境対策を進める企業が入居を決める例は少なくない。商業ビルでも同様に、環境負荷の低さをテナントが求め始めている。

不動産大手で木造ビルを建造する例が相次ぐ。三菱地所は21年秋、札幌市に木造の高層ホテルを開業した。三井不動産は竹中工務店と連携し、東京・日本橋に木造ビルを建設する計画を進めている。今後の都市部の再開発では「脱炭素に貢献するビル」が付加価値の一つになりそうだ。